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家庭菜園

タマネギ栽培と作型

生育特性

花芽分化
タマネギは、苗が一定の大きさに達したとき、一定の期間、低温に遭遇すると花芽を分化させる作物(緑色植物体春化型)です。
具体的には、苗径が3~6mmで低温に感応し始めますが品種間差はあります。大苗ほど低温に敏感です。最も敏感に反応する温度は9~12℃で、低温ほどよいというわけではありません。冬よりも春先(長日下)の低温に敏感に反応します。

生育適温
適温は15~23℃で、球の肥大開始には長日とともにある程度の温度も必要で、10~13℃で肥大を始める極早生品種から20℃程度の晩生種まであります。

球の肥大と日長
本県では春に肥大させるため11.5~13時間日長で肥大する品種が用いられています。
北海道(春まき栽培)では夏にかけて肥大させるため14~15時間日長の品種が利用されます。

休眠
不良環境に耐えるための生態反応が「休眠」です。タマネギは暑さに弱く高温期に、生育を中止し、消耗を防ぐなどして不良環境に耐えるのです。
球が休眠から覚めて萌芽すると商品価値がなくなります。休眠期間は品種によって差があり、貯蔵用には休眠の長い品種が有利です。

栽培管理

播種
極早生や早生の品種は早めに、中生~中晩生は遅めに種を播きます。間引きをすると大きさが揃います。

本圃の準備
酸性土壌では生育不良になります。適正pHは6.0~6.5です。苦土石灰を平方メートル当たり120g施します。畦幅120cm(通路30cm)に5条植えで、条間、株間ともに15cmとします。専用の有孔マルチがあります。

肥培管理
栽培に必要な窒素成分量は総量で1平方メートル当たり20~25gです。うち基肥と追肥を2等分し、追肥は11月下旬と翌年の2、3月に分施します。窒素過多になると球への糖の蓄積が不十分になり、貯蔵性を落とすことになります。4月の遅肥も多肥と同様に貯蔵性の低下につながるので、止肥の時期は特に重要です。

植付け
植付け時の苗は育苗 日数55日程度の若苗で、 徒長していないものです。
目安として紙巻きたばこの直径(7.5mm)程度の大きさが理想です。大苗を選ばないで中苗で揃えましょう。大苗だとトウ立(抽苔)や分球が起こりやすく、小苗だと越冬しにくく欠株や小球になりがちです。プロの方は、収穫時のトウ立ちが数%程度発生するくらいの大きさの苗は多収穫になるとも言います。

収穫・乾燥
収穫時期は早すぎても、遅すぎても貯蔵中に腐りやすくなります。自然倒伏が8割程度で茎葉の青い時が適期です。晴天日を見計らって収穫し、天日に1~2日地干しします。そして、雨の当たらない風通しの良い軒下などに吊るします。
キズと湿気は厳禁で、貯蔵病害の発生原因になります。

貯蔵性向上の栽培法

貯蔵中の腐敗には、栽培中に茎葉部に罹った病害が2次的に発生する場合が多いです。灰色腐敗病、黒かび病と乾腐病は糸状菌類(カビ)によるものです。軟腐病は細菌類(バクテリア)が原因菌です。いずれも、連作や窒素過多、遅効きは厳禁です。

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