JA石川かほく
HOME > 家庭菜園 > ネギ

家庭菜園

ネギ栽培と作型

ネギの生育特性

ネギは中国西部の原産で、ユリ科の多年生草です。
発芽および生育適温は15~20℃で、25℃以上では生育が劣ります。耐寒性は氷点下8℃でも凍結枯死することはありません。
花芽の分化はタマネギと同じく低温を受ける際の植物体の大きさによって決まります。一般にタマネギより敏感で苗が5~6mm径に達していれば、1月中旬までに花芽を分化し、3月下旬に抽苔します。
土壌適応性は広いですが、耕土が深く排水良好な壌土や砂壌土が適地です。pH5.7~7.4が適当です。

品種の分類

ネギの葉は葉身部と葉鞘部に分かれ、茎は葉鞘部の下で盤茎状になり、これから根が出ています。葉鞘部は、土寄せしないと緑色で短く、葉身部と合わせて利用する葉ネギがあります。一方、土寄せにより葉鞘が長く軟白された根深ネギがあります。
ネギは、休眠の程度によって品種が分類されています。
加賀群は、冬になると地上部が枯れて休眠するため耐寒性が強く、積雪下の越冬率が高い品種群です。東北、北陸など寒い地域で栽培さています。分けつは少なく、白い部分が太いのが特徴です。
千住群は、越冬性や低温下の伸長・肥大性等の変異性に富みます。葉身の濃緑・緑・淡緑の色で、それぞれ黒柄・合柄・赤柄などに分けています。黒柄は越冬性はありますが低温伸長性が低く、逆に耐暑性があります。分けつは少なく葉身分岐部はよく締まっています。その対極に赤柄があり、それらの中間型が合柄で、さらに黒柄と合柄の中間の合黒系統があります。市販されている根深ネギはほとんどがこの千住群の品種です。
九条群は、休眠しない冬ネギ型で、分けつが多く、葉ネギの代表品種で西日本に多く栽培されています。
やぐらねぎは、完全な休眠性を示す夏ネギ型で、積雪地帯の葉ネギとして栽培されています。
ネギの品種群と特徴

栽培技術の特性

(1)排水の良い土づくり
根は乾燥に強いが酸素要求量は高く、排水が悪いと生育が劣り、湿害により枯死します。通気性・排水性の良い圃場を選び、明渠などの排水対策を講じます。

(2)肥効の波をつくらない
生育中の肥切れや過剰な肥効は生育バランスを崩し、病気の助長や品質の低下を招きます。有機質入りの緩効性肥料を主体に、元肥に全量の1/3~1/2を使い、残りを約4週間隔で土入れ・溝ふさぎ・土寄せ2回・最終土寄せに合わせて追肥することで、肥効に波ができるのを防ぎます。

(3)土寄せはこまめに
根深の軟白部を作るには不可欠な作業です。土寄せでネギは肥大より伸長の方向に生育します。
軟白部を30cm以上、径2cm前後のネギを作るにはこまめに土寄せを行うことが必要です。一般的に、溝の削り込みで2~3回、溝が埋まってからは3~4回の土寄せが目安です。

基本作型の特徴

春まき栽培
春の適温で育苗して夏に定植し、秋の適温で生育させ、冬~初春に収穫するのが基本型です。夏秋・秋冬どりでは、ハウスで1~3月に播種、3~5月に定植し、8~12月に収穫します。品種は、高温期収穫には耐暑性のある合黒系を、冬どりは低温伸長性のある合柄系を用います。翌年採りには越冬性の強い加賀系を使います。

秋まき栽培
秋の適温下で育苗し、春の適温で生育させ、夏から収穫するのが基本です。加賀系や黒柄系の品種を使いますが、これらの品種は休眠状態で越冬し極晩抽性です。
ネギの作型

ページTOPへ