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家庭菜園

大豆の栽培

大豆の品種と生態

大豆は形態で分類すると子実の特徴から粒大(大粒種、中粒種、小粒種)、種皮色や臍色(黄、緑、茶、黒等)などの組み合わせがあります。
短日植物の大豆は、日長反応、熟期、開花結実の習性などの生態を利用して品種と播種時期を選定します。
日長反応による分類は、春まきしても日長に関係なく温度に感応して生育し、開花結実する夏大豆型があります。夏まきして日長が短くなると、正常な生育とともに開花結実をする秋大豆型があります。そして、それらの中間タイプが中間型です。
夏大豆、秋大豆を熟期の早晩で、早生(わせ)、中生(なかて)、晩生(おくて)に分けます。地域(寒地、寒冷地、温暖地、暖地)によって適応する品種は違います。
これらを具体的に分類したものが開花結実の習性によるものです。開花まで日数を60日以下(Ⅰ)、70日(Ⅱ)、80日(Ⅲ)、90日(Ⅳ)、100日以上(Ⅴ)に区分します。また開花から結実まで日数を60日以下(a)、60~80日(b)、80日以上(c)に区分し、それを組み合わせて12生態系に分類します。
寒地の北海道は日長反応する品種を選ぶと結実が冬期になり収穫できません。温度感応する夏大豆の早生系(Ⅰa、Ⅰb、Ⅱa)を選びます。  暖地の九州は秋大豆(Ⅳ、Ⅴ)を麦跡にまきます。さらに早出し用に夏大豆(Ⅱa)を麦と間作します。
温暖地の北陸は中間型(中生)のエンレイ(Ⅱc)や在来種の大浜(Ⅲb)がまかれています。大浜を春まきするとつる化して地面を這います。

大豆の栽培管理

大豆は酸性にやや弱い作物です。pH6以上を目標に苦土石灰、発酵鶏糞などで土づくりをします。
大豆は大気中の窒素ガス(大気の78%を占める)を固定する根粒菌と共生しているため、10アール当たりの窒素成分量は6㎏程度です。
エンレイでは、出芽・苗立ちと収量を安定化させるために、播種時期に合わせた栽植密度にします。条間は80cmを原則に、株間を6月中旬まきで15cm、播種限界の7月上旬で10cm(晩播密植栽培)にします。2粒播種で、深度は浅まきの3cm程度にします。
培土には
(1)雑草を抑える 
(2)倒伏を防ぐ 
(3)根と根粒菌を増やす(根圏の拡大) 
(4)湿害を防止する効果があります。
1回目の培土は本葉2~3枚時に子葉がかくれるまで、2回目は本葉4~5枚時に初生葉がかくれるまで培土します。
害虫防除は、子実肥大期(8月上旬~9月中旬)にカメムシの防除を徹底します。

大豆の青立ち対策

大豆の青立ち株は、成熟期になっても葉の黄化や落下が見られず、茎や葉が緑色のまま残る状態を言います。
旱魃で莢数が減少したり、子実の肥大期にカメムシの吸汁で正常な子実が極端に少なくなった場合に発生します。
開花期(7月中旬)から子実肥大初期(8月中~下旬)に旱魃が続くときは潅水を行い、着莢数の確保と子実の肥大に努めます。そして、カメムシの防除を徹底しましょう。

大豆の輪作体系

根粒菌と共生する大豆は省エネ型で清浄作物です。イチゴやタマネギのマルチ栽培の跡に、マルチのまま無肥料で不耕起栽培できます。

イシクラゲの駆除

庭先などで、雨上がりにキクラゲのような姿をし、乾燥すると地表に黒いかさぶたのようにへばりつき、気味悪がられる物体です。この正体は、藍藻の1種でイシクラゲ(石水母)と言います。寒天質の基質の中に数珠状に細胞が連なった細胞糸が埋もれています。乾燥耐性が強く何十年も乾燥状態で休眠できます。
芝用殺菌剤「ゴーレット水和剤」はイシクラゲや苔類の発生時に2000~3000倍液の散布で駆除効果を発揮します。一時的な駆除に木酢液の散布があります。

イシクラゲ
(円内は数珠状に連なった細胞系)

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