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家庭菜園

スイートコーン栽培と作型

トウモロコシの種類

トウモロコシには、生食や加工用のスィート種のほか、家畜の飼料用デント種、果皮が堅いフリント種、ポップコーン原料のポップ種などがあります。
茹でたり焼いたりして食べているスイートコーンは、トウモロコシの胚乳の突然変異によるものです。子実は若く、柔らかく、甘い乳液で充満し、乳熟後期の未成熟段階の収穫物なのです。

生育特性

スイートコーンは直根性の作物であり、基本的に直播を行います。甘味の強い品種ほど子実内の貯蔵澱粉が少なく、発芽力が劣り、地温不足で発芽不良による欠株や生育不揃いをおこしやすいです。
発芽に必要な地温は14℃以上で、低温期の播種は、早めのマルチ(透明)やトンネルを張って地温を高めます。
スイートコーンは雌雄同株異花の他家受粉性の風媒花です。近くに開花期の同じ異品種があるとその花粉と受精して、子実の色や味(澱粉質) の異なる粒が混入した(キセニア現象)房になり商品価値がなくなります。異なるタイプの品種とは最低でも300m以上離れて植付け、風媒による交雑の影響を少なくします。
スイートコーンは吸肥力が強いため3要素の吸収は収穫期まで続きます。元肥の施用量は3要素それぞれ成分量で約20~25g/平方メートルを目安にします。先づまりの良い大房を収穫するには、雄穂の形成期(本葉6~8枚時)までに1回目の追肥を施し、株を作ります。雄穂の出穂期に2回目を施し、雌穂を太らせます。いずれも窒素成分量で5g/平方メートル程度を速効性の化成肥料で施します。

栽培管理

除けつをしないで分けつを残す(無除けつ栽培)と、根量や葉面積が増えて、雌穂の肥大が良く、先端部分の不稔が少なくなります。品質向上と増収が期待できるとともに、倒伏防止の効果も得られ、省力にもなります。
上から2番目の雌穂を絹糸の出始めころに除去して、1株1穂にする除房栽培は、頂雌穂の充実が期待できます。しかし、除房の際に葉が損傷しないように注意しましよう。
スイートコーンは水分が重要で、雄穂出穂以降から収穫までの間が多くの水分が必要です。また、開花期以降の乾燥は、穂の肥大不足や先端不稔を引き起こすとともに、出荷後に粒がしなびる原因となります。潅水とともに深耕と堆肥等の施用で保肥・保水性に優れた土づくりをします。
スイートコーンの害虫アワノメイガは北陸では年に2~3回発生し、終齢幼虫で越冬します。5~6月に成虫で飛来し、葉裏に卵塊状に産卵します。孵化後幼虫は稈や展開前の雄穂を食害し、さらに雌穂抽出後には、茎を下方移動して子実を加害します。2回目の成虫は8月上~下旬に発生します。
従って、雄穂出穂直前に株中央の筒内部に薬剤を入れるように散布します。その後、1週間ごと株全体に2~3回散布します。

スイートコーンの作型
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