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家庭菜園

キュウリ栽培と作型

キュウリの生育特性

生育適温は15~28℃で、10℃以下では生育が止まり、軽い霜でも凍害を受けます。地温は15℃以上は必要です。光はトマトほどの強光を求めません(光飽和点5~6万ルクス)。
雌花の分化は短日低温下で促進し、節なり性が強まり、高温長日下で減少します。

品種の分類

品種は華南系と華北系が基本で、華南系(半白、青長、青節成、地這)は比較的低温・乾燥に強く、節成り性です。耐暑性が低く、冬から春の栽培に適します。
華北系(4葉、支那3尺、山東、ときわ)は飛び節で日長には鈍感、側枝の発生が多く、第1節に確実に着果します。耐暑性に優れるが、低温伸長性に劣り、夏から秋の栽培に適します。
現在栽培されている品種は、旧来の基本品種系との交雑種で分類は困難です。なかでも夏型群(ときわ北星、北進)として、華北系を中心に低温に弱いが、飛び節で房成り・成り戻りになり、側枝中心の多収品種です。夏の露地を中心に、半促成から抑制栽培向けの品種です。
冬型群 (シャープ7、アンコール8)として、夏型群の良い形質をそのままに、低温伸長性や初期多花性、長期多収性を付加した促成や抑制栽培向けの品種です。

栽培技術の特徴

キュウリ果実は葉の腋に付きます。基本的には葉数(節数)の増加が収量の増加につながります。節数を確保するために「摘心栽培」をします。摘心栽培は主枝(親づる)を一定の高さ(180cm前後、約20節)で摘心して、主枝から発生する側枝(子づる)を2節で摘心、その側枝から発生してくる側枝(孫づる)も1節で摘心するもので、側枝を摘心しながら節数を確保していく方法です。そのためには常に旺盛な草勢の維持管理が必要です。
キュウリの根は酸素要求量が大きく、地表下の比較的浅い土層を横に伸びて根群を形成しています。堆肥を十分に施し深耕し、保肥・保水性に富んだ耕土を作ります。土中堆肥化の溝施用は根が深層まで発達して、草勢維持が期待できます。

基本作型の特徴

ハウスの半促成作型では12℃以下でかんざし症状を起こすので定植時はトンネル管理をします。旺盛な草勢の維持管理のため、午前中は十分日光を取り込み、温度25~30℃、湿度約80%で光合成を促進させます。午後からは換気で気温を徐々に下げ、光合成産物が生長点や根などの各器官にスムーズに転流するようにします。その後、低温管理で呼吸による消耗を抑制し、光合成産物の体内蓄積を図ります。 ハウス抑制作型も同様の生育管理をします。
露地栽培では積極的な摘葉と早めの整枝によって通風と採光を図り、草勢の低下や果形の乱れを防ぎます。

7節(主茎30cm程度)までの側枝と雌花の除去

・主枝は約20節で摘心
・中段以降の側枝は2節で摘心
・下位節、8~10節目までの側枝・孫枝は1節で摘心

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