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家庭菜園

ブロッコリー栽培と作型

ブロッコリーの生育特性

ブロッコリーの原産地は東部地中海沿岸で、耐暑、耐寒性に強いほうで、栽培の適応幅は広いが、生育には冷涼な気候が適しています。25℃以上では徒長し、5℃以下では生育が進まず、生育適温は16~20℃です。
ブロッコリーは生殖器官を収穫するため、花芽分化させなければなりません。低温に感応する苗の大きさや温度は、品種によって異なります。花芽分化は本葉5~6枚時に17℃以下の低温で誘発されます。早生種ほど小苗で、かつ比較的高い温度と短い期間でも分化します。晩生種は大苗で、しかも低温に長い期間あわないと分化しません。
一般に、播種から出蕾までの日数は、夏まき栽培では早生種で70~80日、中生種で80~90日、晩生種で90~100日です。さらに成熟に20~30日を要します。

栽培技術の特徴

収穫物には大きな花蕾だけをとる頂花蕾型とわき芽が多く出る側花蕾型があります。そして、本来捨ててしまうことの多いブロッコリーの「茎」に注目したスティック型(茎ブロッコリー:中国野菜のカイランとブロッコリーの交配種)があります。
頂花蕾型は初期生育を重視して、元肥中心の施肥とし、側花蕾型は肥切れしないように追肥します。遅い追肥は花蕾の形が乱れます。
一般に、出蕾期までに株を作り、出蕾期からは肥効を抑えて、花蕾を大きくして高品質に仕上げます。
花蕾に含まれているアントシアニン(色素の1種)は、低温にあうと紅色に発色するため、葉緑素の緑色と一緒になって紫色を帯びてきます。アントシアニンは加熱によって分解するので調理すれば鮮緑の花蕾に戻ります。

土壌条件と生育

土壌の適応幅は広く、あらゆる土壌で栽培は可能ですが、耕土が深く、腐植に富み、保水力が高く、排水性の良好な土壌が最適です。
適正pHは6.0~6.5です。pHが低く、乾燥が続くとホウ素や石灰の欠乏症が発生するので、FTEなどのホウ素資材を必ず施用します。逆に湿潤な土壌条件では生育不良になるばかりでなく、「根こぶ病」の発生が多くなるので注意が必要です。

ブロッコリーの異常花蕾

葉数が十分確保されないうちに、感応温度に遭遇して早期出蕾した小花蕾(ボトニング)や花蕾粒の不揃い(キャッツアイ)が早春まき栽培に見られます。花蕾形成初期に高温に遭遇して、花蕾の分枝基部の葉が発育・伸長したリーフィー、花蕾肥大期の高温遭遇を中心に、極端な乾燥で蕾が褐変したブラウンビーズ、肥効向上による花蕾の凹凸(不整形花蕾)、多雨で蕾が腐る花蕾腐敗が夏秋どりに見られます。
ブロッコリーの異常花蕾

基本作型の特徴

早春まき栽培 この作型は生育が進むにつれ気温が高く、栽培期間が短いため、早生の頂花蕾専用種を用います。花蕾の緩みやブラウンビーズ、軟腐病が発生しやすく花蕾品質の低下が早くなるので、若どり出荷を心がけます。加えて、花蕾の温度が上がる前の早朝に収穫することは、直売所での店もち性をアップします。
夏秋まき栽培 最も一般的な作型で、育苗は高温期ですが、冷涼な気候で花芽分化・発育します。低温下の肥大性、耐寒性に優れる頂花蕾型の早生・中生種のほかに、頂・側花蕾兼用の中・晩生種を用います。
ブロッコリーの作型

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