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家庭菜園

ニンジン栽培と作型

ニンジンの種類と品種

ニンジンの原産地は中央アジアのアフガニスタンで、そこから東西に伝播しました。西のヨーロッパ方面で発達した西洋種、東の中国などで発達した東洋種があります。
ヨーロッパでは冷涼な夏に根を肥大させる春まきに、中国では高温で越夏が困難で秋冷期に肥大をさせる夏まき に順応するようになりました。
原産地では根の色が、紫、赤、白、黄など多彩で、形や長さなど多様です。現在の西洋種は黄色(カロテン色素)が主体で、短形の5寸型が主流です。東洋種は赤色(リコピン色素)で、30cm前後の長形の金時ニンジンがあります。

生育特性

生育適温
適温は20℃前後(18~21℃)ですが、幼苗期は寒暑に比較的強いです。肥大・着色期は暑さ、寒さの影響を受けやすいです。

栽培期間
100~120日程度と長期間の栽培になります。同じ直根類のダイコンが約2か月に対して、ニンジンは2倍近く要します。暑さ、寒さに遭遇しますので、周到な管理が必要になります。

抽苔性
ニンジンは、ある程度の大きさに達した後、10℃以下の低温に遭遇することで花芽を分化します。その後の高温と長日で、花芽の発育と抽苔が進行します。
西洋種は抽苔しにくいように選抜されてきたのに対して、東洋種ではあまり改良は進んでいません。

栽培管理

土壌消毒
ニンジンはセンチュウによる被害が大きいので、連作圃場は土壌消毒を行います。播種15日前にD‐D剤を潅注し水封します。処理後10日目にガス抜きします。民家に隣接する圃場は粒状の殺線虫剤で対応できます。

畑の準備
播種前の堆肥や緑肥の施用は岐根の原因になります。前作物の作付け前に完熟した堆肥を施します。一雨降った後の、土壌水分が適湿に落ち着いたときを見計らって耕起・畦立てを行います。畦幅60~70cmで2条播き(条間20cm)、120cmで4条播きにします。

播種
ニンジンの発芽を揃え初期生育を順調に維持するには、土壌水分が適度に保持していることです。そのためには降雨後または潅水後に播種することです。ニンジンのタネは好光性です。覆土をかけ過ぎないことです。タネが隠れる程度に薄く(6mm)覆土します。

間引き・追肥
間引きの1回目は、本葉2~3枚期(播種後30日頃)に密な部分を中心に2~3cm間隔に荒間引きします。2回目は、本葉4~5枚期(播種後50日頃)に生育中庸で品種の特性を備えた株を残します。3回目は、本葉6~7枚期(播種後65日頃)に株間8cmの1本立ちにします。最近はコーティング種子が普及しています。播種は5cm間隔に2粒を点播します。この時は間引きを2回で済ませます。
追肥は、2、3回目の間引き時にそれぞれ窒素成分で約5g/平方メートルを分施します。

土寄せ
肩部の緑化防止のため、抽根する頃(播種後70日頃、根径3cm程度)に除草を兼ねて、通路側から軽く寄せます。

収穫
収穫が遅れると裂根、腐敗やシミ症が多くなり、商品化率が低下するので、適期収穫します。

基本作型の特徴

春まき栽培
収穫期が夏季の高温期になり、病害発生が多く、根の肥大・着色も悪くなります。播種期の終わりは、4月上旬に限定されます。後半に肥料を効かすと側根が太くなり商品性を落とすことになります。

夏まき栽培
発芽・幼苗期の土壌表面の水分保持と地温の昇温防止がポイントで、モミガラなどで薄く覆い、発芽が揃うまでは表面を乾燥しない程度に灌水管理します。
生育前半が高温なので、抽台の危険性はなく、抽台しやすい東洋種「金時」の栽培は、この作型に限られます。
ニンジンの作型

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