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家庭菜園

カブ栽培と作型

カブの種類と品種

日本では最も古い野菜の1つで、全国的に広く分布し、各地に独特の品種が分化しています。
8世紀までに中国経由の東洋系が、西日本を中心に分布しました。代表品種は「天王寺」「聖護院」などです。一方、遅れて(17世紀)渡来した西洋系は「金町」「温海」など寒冷な東日本に広く分布し、福井・岐阜・愛知が両系の境界(かぶらライン)をなしています。
本県でも「金沢青かぶ」をはじめ、かって白山麓や能登丘稜地で焼畑カブが栽培されていました。白山市河内の「平家かぶら」や穴水町上唐川の「エタかぶら」などがあり、いずれの品種も西洋系です。

生育特性

発芽と生育の適温は15~20℃です。花芽分化は13℃以下の低温で起こります。
根が浅いことから有機質に富み、保水性が良い土壌が適しています。
カブは葉が生育してから根が肥大するので、葉が間延びしないよう、間引きをこまめに行います。

栽培管理

畑の準備
播種する1か月前に完熟堆肥を平方メートル当たり2㎏、苦土石灰を100~120gを土とよく混ぜておきます。

施肥
播種の1週間前までに基肥の化成肥料(窒素成分で10g/平方メートル)を施し、よく耕します。追肥は1回目の間引き直後に窒素成分で約2g/平方メートル、以降2~3週おきに肥切れにならないよう同量分施します。

作畦と播種
畦幅はいずれも120cmで、株間を大カブで30~40cmの2条播きにします。中カブは15~20cmの2~3条播き、小カブは8~12cmの4条播きです。小カブは条間、株間ともに15cmに穴が開いた5条播き用のマルチがあり便利です。

収穫調整
収穫が遅れると根部にスが入るので注意しましょう。小カブで播種後30~40日(カブ径5cm)、中カブで播種後40~60日(カブ径10cm)、大カブで播種後60~80日(カブ径12~15cm)で収穫します。

根こぶ病の防除法

根こぶ病はアブラナ科野菜が罹る土壌伝染性の病気です。その菌密度を下げるために、
(1)連作を避け、圃場の排水をよくします。
(2)石灰を施して土壌pHを7前後の中性に保持します。
(3)抵抗性品種(品種名にCRが付いている)を利用したり、おとり作物を輪作します。
(4)こぶは圃場外に持ち出し、圃場衛生に努めます。
(5)発病圃場に使用した農機具、靴などに付着した土は洗い落とします。
(6)登録のある農薬や石灰窒素、太陽熱消毒などの組み合わせで土壌消毒をします。

基本作型の特徴

春まき栽培
雪解け直後の3月に播き、45日をめどに小・中カブまで随時どりします。トンネル栽培で、マルチを併用すると乾燥してカルシウム等の吸収阻害が懸念されます。早めの被覆除去をします。

夏播き栽培
かぶら寿し用の中・大カブの作型です。保水性の良い水田転換畑を選び、適湿を保つように心がけます。早い時期に肥切れするとスが入りやすくなるので適期の追肥を行います。ただし、収穫間際に肥料が効きすぎると、変色等の生理障害で品質が低下するので控えめに分施します。代表品種は大カブの「早生大蕪」、中カブの「百万石青首蕪」や「玉波」です。

秋まき栽培
露地の小カブは5条播き用の有孔マルチを利用します。10月以降の遅まきはグラスファイバーのトンネル支柱に寒冷紗等の浮き掛けをすると12月の積雪期でも収穫できます。
ハウスの小カブは、前作の肥料が残っているため、無肥料で直まきします。11月中旬以降に種まきすると催芽苗が低温に遭遇し、3月以降の長日・気温上昇でトウ立ちします。2月中旬までに収穫します。
カブの作型

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