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ナガイモ栽培と作型

ナガイモの特性

ナガイモ群は高温・乾燥で、陽地強光型の作物です。
土壌の適応性は高いが、地下水位の高い個所や耕盤がある圃場では、イモが毛穴褐変症などの障害発生やタコ足のように分岐します。植付け溝は80㎝以上の深耕が必要です。春先の地温上昇の早い砂土は、早掘り、作業性の面からも適地です。

ヤマノイモの土壌病虫害
生育特性

ナガイモも他のイモ類同様に、その収量性は物質生産の立場から見ると次式になります。
収量=全乾物生産量×収量分配率
このため、収量性を高めるには、光合成能力の高い葉を多く、長く維持して全乾物生産量を大きくするとともに、収穫目的物への分配率を高めることによって達成されます。
そこで、生育相から見ると、15℃以上の4月中旬以降から植付けし、早期の茎葉(ソース)の伸長・展開を促します。かつ、6~7月は吸収根による急速な茎葉の造成能力を向上・維持させることです。
そして、ソースで産生した光合成産物を貯蔵する「場」であるイモ(シンク)へ7~8月に集中転流させることです。

栽培管理

この生育特性を実現する具体的な手順は、
①萌芽を早める
定芽利用の小イモ種を用い、かつ大きめを選びます。不定芽の切イモ種も大きめで定芽より早めに植え付けるか、ハウスで催芽処理をします。

②ソース能の向上
ナガイモの葉の光合成能力は低く、また光飽和点は約1.5万ルックスです。従って、支柱もそれほど高くなく、直立仕立てで風通しも良いです。ある程度の過繁茂状態を8月上旬までに達成した方がイモ重の増加につながります。

③高いソース能の維持
完熟堆肥施用(2kg/平方メートル)は前年秋を基本とし、春施用でも植付け一か月前までに行います。
萌芽揃いと初期生育は種イモに依存しているので基肥は総量の2割程度にします。追肥は萌芽揃いに第1回を施し、以降20日ごとに分施し、8月上旬には終えます。その間に茎葉および根の8割が造成されます。その成葉が高い光合成能力を維持するには、病害虫に犯されない健全で窒素含量の少ない葉を9月中まで維持することです。

④イモの肥大促進
イモが伸長・肥大する場所は膨軟で土壌病害虫が皆無であることです。肥大期に当たる7~8月は潅水で土壌を湿潤に保ちイモへの転流を促します。
圧密や耕盤があるとそこでイモの伸長が止まり奇形イモになります。土壌害虫ではセンチュウ類の表面凹凸やコガネムシ類の幼虫による食害。土壌病害では各種糸状菌による根腐れ、褐変・肌荒れ症の他、貯蔵中の腐敗などがあります。いずれも植え溝等の土壌消毒が必要です。

⑤ムカゴ着生の抑制
イモの肥大が阻害されると光合成産物は腋芽が変形したムカゴに転流します。イモの肥大促進の環境整備と短支柱でも蔓を垂下させないように誘引することです。ちなみに、長い竹に誘引する森本長芋を地這栽培するとイモとムカゴの重量比が一対一になりました。

ナガイモの作型
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