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ホウレンソウ栽培と作型

作型とは?

作型とは、作物に無理をさせず、最も作りやすい時期の『旬』を中心に、前後の気候環境を作物の生理・生態に合うよう調節して栽培する生産技術体系です。従って、その柱は品種選定と環境調節にあります。
ホウレンソウには「春まき」と「秋まき」を中心に、その前後に「夏まき」と「ハウス栽培」の『基本作型』があります。

ホウレンソウの生育特性

ホウレンソウはイラン(ペルシャ)が原産です。
(1)土壌の適正酸度(pH)は6.5~7.5なので、6.0以下であれば必ず石灰で矯正します。5.5以下になると生育が停止します。
(2)発芽及び生育適温は、15~20℃で、8℃以下25℃以上になると抑制されます。低温には強く、高温には弱い作物です。
(3)播種から収穫始までの日数は夏期で25~30日、冬期では100日以上かかります。
(4)花芽分化は、長日と低温の両方によって起こり、分化後は長日と温暖な気候によって抽台が促進されます。
抽台の早晩は、品種によって差異があり、一般に東洋種は日長に敏感で抽台が早く、西洋種は日長に鈍感で、抽台は遅いほうです。

栽培技術の特徴

(1)高い精度の要求される播種作業
低温発芽性で20℃を超えると発芽が遅れます。夏まきでは、一昼夜水に浸し、種子消毒後、低温処理(7~8℃で5~6日間)で催芽させて播種します。苗立ち数が収量・品質、作業性に大きく影響するからです。
(2)生育に合わせた適切な土壌水分管理技術
播種後たっぷり潅水して発芽まで土壌水分をやや高くし、発芽揃いから本葉3枚ぐらいまでは土壌表面が乾くくらいの湿度を保ち、立枯病の心配がなくなったら潅水して生長に必要な水分を補給します。収穫が近づくと徐々に乾燥させ、収穫期はかなり乾燥した状態にします。乾燥気味で育てたほうが収穫物はしおれにくく、また土が乾燥していれば収穫・調整作業が容易になることを考慮した水分管理法です。

土づくりの特徴

ホウレンソウなどの軟弱野菜は、栽培期間が短いため年に数回作られます。作付け回数の多さは、施肥量の多さにも結びつき、土壌は肥料漬けの中で酷使されます。有機質肥料であっても同じことです。露地で1作1トン、施設では2トンが原則ですが、これは年間2作の場合であり、2作以上栽培する場合は、春秋の2回に分けて施用し、年間に露地で2トン、施設で4トン程度の施用にとどめます。

基本作型の特徴

春まき栽培
西洋種などの晩抽性品種を選びます。窒素の施肥量は6~12g/平方メートルと多肥栽培に注意します。畦幅120cmに条間15cmの5条植えとし、株間5cmの2~3粒播きにします。草丈22~25cmで収穫し、250g入りで袋詰めします。

夏まき栽培
昇温と病害の抑制のためにトンネルやハウスでフイルムによる雨よけ対策と寒冷紗による遮光対策をします。この作型では、土壌病害の立枯病、株腐病、萎凋病の発生が激しいので、予防に万全を期することが肝要です。

秋まき栽培
この作型は、早まきした場合は晩秋期に収穫となり、遅まきの場合は、翌春収穫になります。年内収穫には東洋種を、冬越しには耐寒性品種を選びます。

ハウス栽培
基幹作物のトマト、キュウリ、メロン等の跡地に無加温、無肥料で栽培します。生育が出荷基準に達した後、ハウスサイドを開放して真冬の寒気にさらす(2週間)寒締め栽培法があります。凍るほどの低温に遭うと細胞を凍結から守るために糖分を蓄積します。甘くて、ビタミンC、Eの多い葉になります。

ホウレンソウの作型
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