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家庭菜園

ジャガイモ栽培と作型

ジャガイモの品種と育種

ジャガイモの原産地は中央アンデス文化圏(チリ)の3000m以上の山岳地域です。原種の2倍体のほか3、4、5倍体が自生しています。倍数性は高次になるほど植物体は大型化します。
栽培されている大方の品種(男爵など)は4倍体です。原種から改良された「インカのひとみ」は2倍体です。「アンデスレッド」は4倍体に2倍体を交雑して得られた3倍体の1代雑種です。

生育特性

ジャガイモは冷涼な気候を好みます。生育適温は15~20℃で、イモ形成には昼間20℃で、夜間14℃付近が適温です。
地下の茎からほふく枝(ストロン)を出し、その先端の肥大したものがイモ(塊茎)です。従って、イモは茎から生まれたもので、茎に葉がついている(葉序2/5)ようにイモにもらせん状に目が配列され(2回りで5つの目)、そこから芽を生じます。

休眠
品種固有の休眠期があります。貯蔵向けには休眠の長い品種が有利です。

土壌条件
土壌の適応性は広いが、土性によって品質、収量、生育の速さが異なります。排水良好で有機質に富んだ砂壌土や壌土が最適です。土壌pHは5.0~6.0が適当です。

栽培管理

浴光育芽
萌芽を促すため、切断前の種イモに充分光を当てながら、温度を15~20℃に上げ25~30日管理します。途中、数回イモの位置を変えます。萌芽の促進、欠株防止、初期生育の均一化や安定収量が得られます。貯蔵性(休眠性)の長いシンシアなどの品種は必須作業です。

種イモの切断
種イモは植付けの数日前に、1片が40~60gで、各切片には頂部の芽が均等に付くように縦に切断します。日陰で乾かし、切り口がコルク化してから使用します。

施肥
3要素の成分量は平方メートル当たり窒素17、燐酸29、加里23gが目安です。窒素過多は、過繁茂になり澱粉含量の少ない水イモになったり、奇形イモ(2次成長)や疫病の発生を助長します。生育期間が短いので、速効性主体の施肥体系とします。

植付け
遅霜の心配のない早い時期に植え付けます。畦幅80cm×株間27cmとし、覆土はマルチ栽培で10cm、普通栽培で3cmにします。

芽かき
1株に2~3本立てます。1本だとイモの大きさがバラつきます。3本だとL・Mに粒が揃います。

追肥・培土
芽かき後、速効性のNKを追肥すると同時に1回目の土寄せをします。2回目は着蕾期で畦間の土を約12cm株元に培土します。イモの緑化、倒伏防止やイモ周辺の適温を維持します。

収穫・貯蔵
黄変期に茎葉の刈払いを行い、イモ表皮のコルク化を促します。1週間後の晴天が続いた日に掘採ります。収穫したイモは、緑化防止のため日陰に置いて、乾燥したら箱詰めします。

病害対策

そうか病 イモ表皮がカサブタ状になる細菌病です。アルカリ性土壌や乾燥条件が発病を助長します。土壌pHを矯正し、健全種イモの使用、種子消毒や輪作を励行します。

疫病
下葉から暗緑~褐色の病斑を形成し、病勢が激しいと熱湯を浴びた様になり枯死するかび病です。窒素過多、密植を避けるとともに、着蕾・開花・終花期の1週間おきの予防防除を徹底します。

基本作型の特徴

春作 ソメイヨシノが咲くころに出芽するように植え付けます。
秋作 休眠の浅い(貯蔵性の短い)品種を選びます。

ジャガイモ品種の特性
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