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ハクサイの栽培

ハクサイの起源と品種群

ハクサイの原産地は中国で、日本へは江戸時代に入っていますが、日清・日露戦争に従軍した兵士が持ち帰ってから全国的に広まりました。  株の形態は、結球性、半結球性、不結球性に分けられ、主体は結球型です。

極早生~早生群
播種後60日以内で結球するグループです。葉は広くて厚く、葉重型で重さは2㎏以内です。

中早生~中生群
播種後60~75日で結球し、現在の栽培品種の中核をなすグループです。葉は小さいが結球の葉数の多い葉数型でほとんどかぶりのない抱合型(砲弾形)か、浅くかぶる包被型(円頭形)で、2~3㎏の大きさです。

中晩~晩生群
播種後75日以上かかって結球するグループです。結球日数を要するため、低温下でも結球が進行して3㎏を超す大球になります。

春まき群
低温に鈍感で、花芽分化の遅いグループです。 やや小型で、低温下でもよく生育します。ハウス・トンネル栽培に用います。
ハクサイの結球内部は白い軟白型が一般でしたが、最近はキャベツの交配から創られた黄芯型が極早生から晩生までシリーズで育成されています。黄芯ハクサイには抗酸化物質のリコペン、βカロテンやポリフェノールが軟白型より多く含まれています。

ハクサイの栽培管理

ハクサイの直播は、春まきは低温下の、秋まきは高温下の在圃期間が長くなり、前者は抽台の危険性が、後者は根こぶ病の感染が高まります。いずれも大苗の苗を遅植えしたほうが無難です。
近年の温暖化傾向や施肥バランスの崩れから、芯腐れの石灰欠乏症やゴマ症などの生理障害が商品率を落としています。これらは、土壌の要素欠乏が直接の発生となることは少なく、過湿や老化苗の定植による根張り不足や根傷み、結球始めの極端な乾燥、多肥栽培による要素の吸収阻害などが主な原因となっています。


根こぶ病
秋ハクサイの栽培ポイント

アブラナ科野菜に共通して発生する根こぶ病は、常発地ではアブラナ科を連作しないことです。といっても、畑が狭い人は輪作にも限りがあり、通常、「オラクル粉剤」「ネビジン粉剤」や「フロンサイト粉剤」を定植前に土壌混和するのが、一般的です。そのほか、
(1)土壌が酸性だと多発するので、pH7以上に消石灰等で酸度矯正します。
(2)基肥に石灰窒素を施用すると殺菌効果が期待できます。ただし播種(定植)10日以上前に施用します。
(3)根こぶ病抵抗性品種「CR~」となっている品種を選びます。
(4)根こぶ病菌は地温が高いほど活動が盛んなので、なるべく早生品種を遅く定植(9cmポットの大苗を9月下旬以降)します。
葉の白い部分(中肋)に黒い点々が出て商品価値をそこなうごま症があります。原因は微量要素のホウ素や鉄の欠乏による生理障害です。ホウ素は土が強酸性の場合、水に溶けて流亡しやすくなるし、逆に強いアルカリ性の場合は、水に溶けにくくなって作物が吸収しにくくなります。そのほか、窒素や加里の過剰によって吸収阻害がおきます。対策として、
(1)ホウ素入り肥料を使います。
(2)石灰や窒素等の施肥の適正使用や
(3)堆肥などによる土づくりを行います。

春ハクサイの栽培ポイント

春まき栽培する上で最大のポイントは、抽台回避と生育期間の短縮です。ハクサイは低温に感応して花芽を形成するので、温床による育苗が必要です。定植時の苗は本葉6枚程度の大苗を用います。
初期生育の促進によって収穫までの期間を短縮し、抽台を回避するためには、定植~外葉生育期にトンネルで密閉します。トンネル内の高温管理には十分な土壌水分が必要で、過度の乾燥条件では肥大不足や石灰欠乏症(心腐れ症)などの生理障害の原因になります。特に注意が必要な時期は、結球開始~結球初期の潅水です。


心腐れ症(左)、ごま症(右)

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